こんにちは!ひろとです。
新年度が始まり、1ヶ月以上が経ちました。新入社員の方は研修が終わり、実務に入り始めた方もいるのではないでしょうか?
また、それ以外の方も配置転換で新しい部署、新しい仕事に就くなど、少しずつ新しい環境に慣れてきた頃かもしれませんね。
これから新しいことに取り組む方に、ぜひ知っていただきたい「現場で活躍するための仕事術」があります。それが「守破離(しゅはり)」です。
守破離とは?
「守破離(しゅはり)」は、芸道や武道、あるいは茶道やビジネスの世界で、何かを極めていく際の成長過程を3ステージで表した言葉です。
修業に際して、まずは師匠から教わった型を徹底的に「守る」ところから修業が始まる。師匠の教えに従って修業・鍛錬を積みその型を身につけた者は、師匠の型はもちろん他流派の型なども含めそれらと自分とを照らし合わせて研究することにより、自分に合ったより良いと思われる型を模索し試すことで既存の型を「破る」ことができるようになる。さらに鍛錬・修業を重ね、かつて教わった師匠の型と自分自身で見出した型の双方に精通しその上に立脚した個人は、自分自身とその技についてよく理解しているため既存の型に囚われることなく、言わば型から「離れ」て自在となることができる。このようにして新たな流派が生まれるのである。
この考え方は、スポーツや職人の世界だけでなく、ビジネスの現場でも非常に有効です。
「守」:基本を身につける
言葉の通り、「守」は師匠や上司・先輩の教えを忠実に守り、基礎を身につける段階です。
新入社員や転職者などによってこの期間は異なりますが、私の経験では3ヶ月〜1年ほどがひとつの目安だと考えています。
この期間は、
- 会社が目指す方向性
- 自社サービスの理解
- 社内独自のルールや仕事の進め方
などをしっかり学ぶタイミングです。
業務マニュアルが整っていれば、それを読み込み、自主的にキャッチアップすることで「守」の段階を早く卒業することも可能です。
マニュアルがない場合は、自ら質問する姿勢が大切です。
重要なのは、ルールに疑問があっても、いきなり変えようとしないこと。なぜそのやり方になっているのかを理解しないまま手を加えると、
- サービス品質の低下
- チームの方針とのズレ
- 人間関係の悪化
といったリスクが生じます。
疑問はメモしておき、次の段階「破」で活かしていきましょう。
「破」:型を破って応用する
「破」は、基本を身につけた上で、他の良い要素を取り入れたり、自分なりの改善を加える段階です。
ここでは、
- 他の部署のやり方を取り入れる
- チームメンバーの強みを参考にする
- 前職のノウハウを活かす
など、より良いやり方を模索・実践していきます。
この段階では、疑問に思ったことや改善案を遠慮なく発言し、チームと共有しましょう。
良いやり方を広めることで、
- チーム全体の生産性向上
- 業務のブラッシュアップ
- 相互成長
といった好循環が生まれます。
私の経験では、入社1〜5年目あたりがこの「破」の時期にあたるケースが多いと感じています。
「離」:独自のスタイルを確立する
「守」と「破」を経て、自分自身のスタイルを確立するのが「離」の段階です。
このフェーズでは、
- 今までにない新しい業務フローを作る
- 新規プロジェクトや事業の立ち上げに関わる
- 他者から学んだものを統合して、独自の仕事観・働き方を築く
といった「創造と革新」の役割が求められます。
「離」に到達する頃には、チームや会社への貢献度も高くなっているため、リーダーやマネージャー、または社内での起業のようなチャレンジも視野に入ってくるでしょう。
さらにこのフェーズでは、社外コミュニティや業界全体に対して影響力を持つ人材に成長する可能性もあります。
人を育てる立場にも役立つ考え方
この「守破離」の考え方は、自分が成長するだけでなく、後輩や部下を育てる際にとても重要です。
特に中途採用の人材に対しては、いきなり「破」や「離」を期待してしまうことがありますが、これは非常に危険です。
中途採用であってもまずは「守」から始め、一人ひとりの「守破離」のフェーズを見極め、それに合わせた支援や期待設定が重要です。
- 「守」で会社文化や方針に慣れてもらう
- 「破」で前職の経験やスキルを活かしてもらう
- 「離」で新たな価値を生み出してもらう
そんな成長の土壌を整えることで、最終的にその人の力を最大限発揮してもらうことにつながります。
また、育成側も「今どのフェーズにいるのか?」を意識しながら接することで、より適切なアドバイスや支援ができるようになります。
まとめ
守破離は、成長の過程をシンプルに示したとても強力な考え方です。
- 「守」:基本を徹底的に身につける
- 「破」:応用・改善を加えて自分なりのやり方を見つける
- 「離」:独自のスタイルを築き、新しい価値を創造する
この流れは、個人のスキルアップだけでなく、チームや組織の成長にも直結するものです。
仕事・人間関係・育成など、あらゆる場面で活用できます。
新しいことに挑戦する今だからこそ、守針を意識して、自分自身の成長に活かしてみてください!
新しい環境で頑張る皆さんが、自分のペースで「守破離」のステップを踏み、着実に成長していけるよう応援しています!